お知らせ

2022/7/27

  • セミナーレポート

【5月月例セミナー】「相続税の税務調査と租税法律主義」を紹介

 

 

TRINITY LABO.の月例セミナーにて、

今年4月に開催した「税理士法人HOP&相続診断協会代表・小川実先生のセミナー」の模様を

レポート形式で一部抜粋し、ご紹介させていただきます。

 

本セミナー後半では、今年4月に最高裁で納税者の敗訴が確定した不動産の財産評価通達6項(総則6項)の否認判決を踏まえ、「租税法律主義」について解説していただきました。

 

目次

 

総則6項判決を理解するための事例1

 

「今回の判例で取りざたされている総則6項とは、『財産評価基本通達 第1章総則6項』の定めによって評価が著しく不適当と認められた財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する』というものです。
今回の最高裁の判決を読む前に、皆様と共にまずは“タワーマンションの事例”を見ていきたいと思います。


このケースでは、平成18年6月にお父様が認知症を発症し、平成19年7月上旬にお父様が入院。この入院を機に、息子様(以下A)が父の預金口座に関する“委任状”を自作しています。

後日Aさんはこの委任状を持ち、お父様名義で2億9300万円のタワーマンションを購入しています。まず、この契約自体がどうなんでしょうか?


このAさん、翌月にお父様の公正証書遺言を作成しているのです。子供(相続人)はAさんだけにも関わらず、公証人と上手く交渉しお願いして『すべての財産をAに相続させる』という遺言を作成しているのです。
なぜかというと、公証人に“お父様が認知症ではない”ということを証明させたんですよね。ここが悪質なポイントで、お父様が認知症だと指摘されたらこの節税スキームが有効ではなくなるからこそ、わざと遺言を作ったと。
その後お父様はひと月も経たない内にお亡くなりになったのですが、このタワーマンションを財産評価基本通達の定めで相続税の申告をし、相続税の評価額を5,800万円にしたのです。

そして、翌年7月に未使用のタワーマンションを2億8500万円で売却し、課税当局から購入時の2億9300万円で更生通知書が下りたということです。

不動産の所有権というのは、①管理処分権②使用収益権③残余財産分配権の3つに分かれるかと思います。この方の場合、明らかに”使用収益”をしていないのです。ということは、棚卸資産と同じでしょう?ということです。
私はこの事例は課税当局が正しいと思っています。このケースはいささか悪質すぎるので、納税者が負けても仕方がないと思いました。」

 

今回問題となった総則6項の事例を解説

 

「この事例の場合、お父様が亡くなったのが平成21年。
相続人は、妻、長女、長男、二男、二男の息子(養子)、財産は甲不動産と乙不動産、そして借入金、その他財産はおそらく6億円はあったのではないかと推測されています。

甲不動産は亡くなる3年5カ月前に8.3億円で売却され、うち借入金が6.3億円、路線評価額が2億円、鑑定評価額が7.5億円です。
乙不動産は2年7カ月前に5.5億円で売却され、うち借入金は4.2億円、路線評価額が1.3億円、鑑定評価額が5.2億円。
そしてこの2つの不動産がどういった状態かというと、貸し付けに供されていたのです。しかも、相続発生の3年以上前の物件もあるのです。


先ほどのタワーマンションの事例と明らかに違いますね。先ほどは、『お父様が亡くなりそうだから、何でもいいからとにかく買おう』とタワーマンションを購入し、使用すると価値が落ちるからと未使用のままで保存し、お父様が亡くなるのを待って売却している。不動産を所有していると言えない状態だったのですね。」

 

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【講師プロフィール】

小川 実 氏
税理士法人HOP 代表社員税理士 一般社団法人相続診断協会代表理事
昭和38年生まれ。岐阜県出身。成城大学経済学部卒。
平成10年 税理士登録。平成14年 税理士法人HOP設立。平成23年 一般社団法人相続診断協会設立。

航空機リース事件の税務代理人として、数多くの税務調査の立会いや不服審査を経験し、相続税の税務調査を得意とする。
平成23年に相続診断協会を設立し、民間資格「相続診断士」を生み出し、取得者は全国で4万人を超える。
相続診断士と共に、家族が互いに信頼し感謝し合い、相続税も心配なく払える「笑顔相続」の実現を目指す。

髙橋 大祐 氏
税理士法人HOP 社員税理士 一般社団法人相続診断協会 税務法務委員
昭和58年生まれ。東京都出身。学習院大学経済学部卒。平成16年 税理士法人HOP入社。平成26年 税理士登録。

資産税業務を専門とし、相続診断士との連携を中心に、個人の相続対策から中小企業の事業承継まで、幅広く対応する。
税務調査にも精通しており、過去に、800万円もの追徴税額の指摘をゼロにした実績を持つ。
現場で培った経験をまとめた実務家向けセミナーは受講者より高い評価を得ている。

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